化学反応式の係数合わせとは、反応式の左右で各元素の原子数が同じになるように係数を決めることです。化学式そのものは変えません。変えるのは、それぞれの物質が反応に何個分参加するかだけです。

これは、通常の化学反応が質量保存の法則に従うためです。原子は並び替わるだけで、新しく生まれたり消えたりしません。生成物に酸素原子が 44 個あるなら、反応物にも酸素原子が 44 個必要です。

化学反応式を合わせるとは実際にどういうことか

目的は、見た目を左右でそろえることではありません。目的は、すべての元素について原子数を一致させることです。

たとえば、次の式から始めます。

H2+O2H2O\mathrm{H_2 + O_2 \rightarrow H_2O}

水素は一見すると問題ありません。左右に H 原子がそれぞれ 22 個あります。ですが、酸素は一致していません。左辺には酸素原子が 22 個ありますが、右辺には 11 個しかありません。

変えるのは係数であって、下付きの数字ではない

係数は、分子や式量単位がいくつあるかを表します。下付きの数字は、その物質そのものを決める一部です。

したがって、

2H2O2\mathrm{H_2O}

は水分子が 2 個あることを意味します。しかし、H2O\mathrm{H_2O}H2O2\mathrm{H_2O_2} に変えると、水は過酸化水素になってしまい、別の化合物になります。

化学式がすでに正しいなら、変えるべきなのは係数だけです。

例題:メタンの燃焼反応を合わせる

次の反応を考えます。

CH4+O2CO2+H2O\mathrm{CH_4 + O_2 \rightarrow CO_2 + H_2O}

まず、何も変えずに左右の原子数を数えます。

  • 炭素:左 11、右 11
  • 水素:左 44、右 22
  • 酸素:左 22、右 33

炭素はすでにそろっているので、そのままにします。水素は右辺で足りないので、水の前に 22 を付けます。

CH4+O2CO2+2H2O\mathrm{CH_4 + O_2 \rightarrow CO_2 + 2H_2O}

ここで、もう一度数え直します。

  • 炭素:左 11、右 11
  • 水素:左 44、右 44
  • 酸素:左 22、右 44

まだそろっていないのは酸素だけなので、O2\mathrm{O_2} の前に 22 を付けます。

CH4+2O2CO2+2H2O\mathrm{CH_4 + 2O_2 \rightarrow CO_2 + 2H_2O}

最後に確認します。

  • 炭素:左右ともに 11
  • 水素:左右ともに 44
  • 酸素:左右ともに 44

これで反応式はつり合いました。

確実に進めるための手順

初学者向けの多くの問題では、次の順番がうまくいきます。

  1. まず、反応物と生成物の正しい化学式を書く。
  2. 左右それぞれで各元素の原子数を数える。
  3. 片側に 1 つの化学式にしか現れない元素から先に合わせる。
  4. 酸素や水素のように複数の化合物に現れる元素は、あとに回す。
  5. 係数を 1 つ変えるたびに、すべての元素を数え直す。

これは便利なやり方ですが、すべての反応にそのまま当てはまる決まりではありません。大事なのは、毎回きちんと数え直すことです。

反応式の係数合わせでよくあるミス

化学式そのものを変えてしまう

下付きの数字を変えると、物質が別のものになります。つまり、もう同じ反応を合わせていることにはなりません。

1 つの係数が、その化学式中のすべての原子にかかることを忘れる

H2O\mathrm{H_2O} の前に 22 を付けると、水由来の原子は水素が 44 個、酸素が 22 個になります。水素だけが 2 倍になるわけではありません。

最後の確認をせずに終えてしまう

ほとんど合っているように見えても、原子 1 個分ずれていることがあります。最後には必ず、すべての元素をもう一度数えましょう。

最終答えに分数の係数を残してしまう

途中で分数が出ることはあります。特に少し難しい問題ではよくあります。ですが、最終的なつり合った反応式は、ふつう最小の整数比の係数で書きます。

つり合った化学反応式が重要になる場面

係数合わせは、化学量論、限量反応物の問題、反応収率、そして多くの実験計算の出発点です。反応式がつり合っていなければ、その後のモル計算や質量計算は信頼できません。

自分でも 1 問やってみよう

次の反応式を合わせてみてください。

Al+O2Al2O3\mathrm{Al + O_2 \rightarrow Al_2O_3}

まずアルミニウムを合わせ、次に酸素を調整し、最後に係数が最小の整数比になっているかを確認してみましょう。そのあとでもう 1 例やりたければ、燃焼反応に挑戦して、同じ数え方のパターンが使えるか確かめてみてください。

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