グラフ理論は、頂点からなる構造であるグラフを研究する分野です。頂点は対象を表し、辺は2つの対象の関係を表します。

グラフ理論の基礎を知りたいなら、まずこの考え方から始めましょう。グラフは、つながりをすっきり表現する方法です。SNS上の人間関係、道路で結ばれた都市、相互にリンクされたWebページは、どれもグラフで表せます。

数学でグラフとは何を意味するか

無向グラフでは、辺は2つの頂点がつながっていることを表し、そのつながりに向きはありません。AABB と結ばれていれば、BBAA と結ばれています。

有向グラフでは、辺には向きがあります。そのため、ABA \to BBAB \to A は別の意味になります。初学者向けの例では、単純無向グラフを使うことが多く、これはループがなく、同じ2頂点の間に重複する辺もないことを意味します。

この条件は重要です。というのも、多くの定義はまず単純無向グラフで導入されるからです。グラフの種類が変わると、用語の意味も変わることがあります。

最初に知っておきたいグラフ理論の基本用語

頂点と辺

頂点は、追跡したい対象そのものです。辺は、追跡したい対象どうしのつながりです。

都市と道路を表すグラフなら、都市が頂点で、道路が辺です。

次数

無向グラフでは、頂点の次数とは、その頂点に接している辺の本数です。

ある都市がほかの3つの都市と道路でつながっていれば、その次数は 33 です。

とは、隣り合う頂点の各組が辺で結ばれているような頂点の列です。

ある頂点から別の頂点への道があれば、辺をたどって一方から他方へ移動できます。

閉路

閉路とは、同じ頂点から始まり同じ頂点で終わる道です。基本的な定義では、それ以外の頂点は繰り返しません。

閉路があるということは、グラフの中に閉じたループがあるということです。

連結グラフと連結成分

無向グラフが連結であるとは、どの頂点からどの頂点へも、何らかの道で到達できることをいいます。

それが成り立たないとき、グラフはいくつかの連結成分に分かれます。各成分は、グラフの中で連結になっている部分です。

例題:小さなグラフを1つ見てみよう

頂点 AA, BB, CC, DD, EE をもち、辺が

AB, AC, BC, CDAB,\ AC,\ BC,\ CD

であるグラフを考えます。

これは AA, BB, CC の間に三角形があり、さらに CC から DD への辺が1本あり、EE は孤立頂点になっていることを意味します。

この例を見ると、主要な考え方がすぐに確認できます。

各頂点の次数は

deg(A)=2, deg(B)=2, deg(C)=3, deg(D)=1, deg(E)=0\deg(A)=2,\ \deg(B)=2,\ \deg(C)=3,\ \deg(D)=1,\ \deg(E)=0

です。

AA から DD への道があります:

ACDA-C-D

閉路もあります:

ABCAA-B-C-A

このグラフは連結ではありません。なぜなら、EE にはほかの頂点から到達できないからです。したがって、このグラフには2つの連結成分があります。1つは A,B,C,DA,B,C,D を含む成分、もう1つは EE だけを含む成分です。

この1つの例だけで、次数、道、閉路、孤立頂点、連結成分がどのように関係しているかがわかります。

すばやく確認:次数の総和

任意の有限無向グラフについて、

deg(v)=2E\sum \deg(v) = 2|E|

が成り立ちます。

これは、どの辺もちょうど2つの端点に接しているため、各辺が2つの次数にそれぞれ 11 ずつ加えるからです。

上の例では、次数の総和は

2+2+3+1+0=82+2+3+1+0=8

です。

辺の本数は 44 本なので、

2E=24=82|E| = 2 \cdot 4 = 8

となります。

これは、手で次数を数えるときの便利な確認方法です。数が一致しなければ、どこかで数え間違いがあります。

グラフ理論でよくある間違い

頂点と辺を取り違える

頂点は対象です。辺は対象どうしの関係です。

どの種類のグラフかを忘れる

単純無向グラフで正しいことでも、有向グラフやループを許すグラフでは修正が必要な場合があります。

道と閉路を同じように扱う

道は、出発点に戻る必要はありません。閉路は戻ります。

孤立頂点を無視する

次数が 00 の頂点も、グラフの一部です。それによってグラフが連結かどうかが変わることがあります。

グラフ理論の基礎はどこで使われるか

これらの考え方は、コンピュータネットワーク、経路計画、スケジューリング、推薦システム、SNSなどに現れます。文脈は変わっても、問われることはよく似ています。何がつながっているのか、どこまで到達できるのか、どこにループがあるのか、という点です。

そのため、グラフ理論は離散数学でも計算機科学でも早い段階で登場します。

似たグラフで試してみよう

4つの頂点 PP, QQ, RR, SS を描いてください。辺 PQPQ, QRQR, RSRS, SPSP を加えます。

そして次の3つの問いに答えてみましょう。各頂点の次数はいくつか、グラフは連結か、そして閉路を含むか。

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