微分積分の公式一覧をすぐ確認したい人向けに、まず必要な形だけを先にまとめます。微分は「その場でどれだけ変わるか」、積分は「どれだけ積み上がったか」を見る計算で、最初に覚えるべきなのは多項式、三角関数、指数関数、対数関数の基本公式です。

丸暗記だけだと使い分けで止まりやすいので、公式は「どの形に使えるか」と「どこに例外があるか」をセットで見るのが実用的です。特に積分では n=1n = -1 が例外で、微分では積・商・合成関数に別ルールがあります。

微分積分の公式一覧を最初に見る

急いで確認したいなら、まずこの形から見れば十分です。

微分の基本公式

ddxc=0\frac{d}{dx} c = 0 ddxxn=nxn1\frac{d}{dx} x^n = n x^{n-1} ddx(af(x)+bg(x))=af(x)+bg(x)\frac{d}{dx} \left(af(x) + bg(x)\right) = af'(x) + bg'(x)

ここで aa, bb, cc は定数です。多項式は項ごとに微分できます。

積や商、合成関数では次を使います。

ddx(f(x)g(x))=f(x)g(x)+f(x)g(x)\frac{d}{dx} \left(f(x)g(x)\right) = f'(x)g(x) + f(x)g'(x) ddx(f(x)g(x))=f(x)g(x)f(x)g(x)g(x)2,g(x)0\frac{d}{dx} \left(\frac{f(x)}{g(x)}\right) = \frac{f'(x)g(x) - f(x)g'(x)}{g(x)^2}, \quad g(x) \ne 0

さらに、関数が入れ子になっているときは連鎖律が必要です。

ddxf(g(x))=f(g(x))g(x)\frac{d}{dx} f(g(x)) = f'(g(x))g'(x)

(2x+1)5(2x+1)^5sin(3x)\sin(3x) のような入れ子の形では、連鎖律を外せません。

積分の基本公式

cdx=cx+C\int c \, dx = cx + C xndx=xn+1n+1+C,n1\int x^n \, dx = \frac{x^{n+1}}{n+1} + C, \quad n \ne -1 (af(x)+bg(x))dx=af(x)dx+bg(x)dx\int \left(af(x) + bg(x)\right)\,dx = a\int f(x)\,dx + b\int g(x)\,dx 1xdx=lnx+C\int \frac{1}{x} \, dx = \ln|x| + C

積分では最後の +C+C を落としやすいので、不定積分では毎回付ける前提で見てください。

よく使う微分公式

頻出の基本形は次の通りです。

ddxsinx=cosx\frac{d}{dx} \sin x = \cos x ddxcosx=sinx\frac{d}{dx} \cos x = -\sin x ddxex=ex\frac{d}{dx} e^x = e^x ddxlnx=1x,x>0\frac{d}{dx} \ln x = \frac{1}{x}, \quad x > 0

lnx\ln x の微分公式は、実数の範囲では x>0x > 0 のときにそのまま使います。定義域まで含めて覚えると混乱しません。

よく使う積分公式

基本関数の不定積分も、微分と対で覚えると混乱しにくくなります。

exdx=ex+C\int e^x \, dx = e^x + C sinxdx=cosx+C\int \sin x \, dx = -\cos x + C cosxdx=sinx+C\int \cos x \, dx = \sin x + C

この3つは符号ミスが出やすいので、迷ったら微分して元に戻るかを見ます。

公式がどう動くかを1問で見る

f(x)=2x33x2+4x1f(x) = 2x^3 - 3x^2 + 4x - 1

を考えます。多項式なので、微分も積分も項ごとに処理できます。

まず微分すると、

f(x)=6x26x+4f'(x) = 6x^2 - 6x + 4

です。各項で「指数を1つ下げて、前の指数を掛ける」と見ると追いやすくなります。

次に同じ式を不定積分すると、

(2x33x2+4x1)dx=12x4x3+2x2x+C\int \left(2x^3 - 3x^2 + 4x - 1\right)\,dx = \frac{1}{2}x^4 - x^3 + 2x^2 - x + C

です。

この例で見たいのは、微分では指数が1つ下がり、積分では指数が1つ上がるという流れです。ただし積分には +C+C が付くので、完全に1対1の逆操作ではなく「定数のぶんだけ幅がある逆操作」と考えると自然です。

微分積分の公式でよくあるミス

  1. xndx=xn+1n+1+C\int x^n \, dx = \frac{x^{n+1}}{n+1} + C にそのまま n=1n = -1 を入れてしまうこと。1/x1/xlnx+C\ln|x| + C です。
  2. (2x+1)5(2x+1)^5 のような合成関数で、外側だけ微分して内側の微分を掛け忘れること。これは連鎖律の典型的なミスです。
  3. 積分で +C+C を落とすこと。不定積分では必ず必要です。
  4. sinxdx\int \sin x \, dxcosxdx\int \cos x \, dx の符号を逆にすること。迷ったら微分して戻るか確認します。
  5. 積の微分法や商の微分法が必要な場面で、各項を勝手に別々に微分してしまうこと。積や商は和とは別ルールです。

いつ使う公式か

微分公式は、接線の傾き、速度や加速度、最大値と最小値を調べる問題で使います。積分公式は、面積、移動距離、ある量の累積を求める問題でよく使います。

つまり微分積分の公式は、ただの計算表ではありません。「今どう変わるか」と「どれだけたまったか」を行き来するための道具です。この見方があると、どの公式を選ぶかがかなり自然になります。

次に自分で試す

f(x)=3x42x+7f(x) = 3x^4 - 2x + 7 を自分で微分し、そのあと同じ式を不定積分してみてください。多項式の公式が安定したら、次は (3x+1)4(3x+1)^4 を微分して、連鎖律が必要になるケースも続けて確かめると理解が深まります。

別の問題でも試したいなら、次は三角関数や合成関数が入った式で、どの公式が必要かを自分で判定してみてください。

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