原子は元素の1つ1つの単位です。分子は、2個以上の原子が化学結合によって結びついた独立した粒子です。いちばん手早く見分けるには、1つの問いを考えれば十分です。見ているのは1個の原子なのか、それとも結合した原子のまとまりなのか、ということです。
この違いを理解すると、なぜ と が異なるのか、なぜ が単なる原子の並びではなく分子なのか、そしてなぜ化学式が重要なのかがわかります。、、 を区別できれば、すでに核心はつかめています。
化学で原子とは何か
原子とは、化学反応においてその元素としての性質を保つ最小の単位です。水素原子は1個の水素原子です。酸素原子は1個の酸素原子です。
原子はさらに小さな粒子からできていますが、初学者向けの化学では基本的な構成単位として扱います。原子どうしが結びつくと、物質によっては分子になったり、より大きな構造をつくったりします。
分子とみなされるもの
分子とは、2個以上の原子が化学結合で結びついた独立した粒子です。原子は同じ元素どうしでも、異なる元素どうしでもかまいません。
たとえば次のようなものです。
- は2個の酸素原子からなる分子
- は2個の水素原子と1個の酸素原子からなる分子
ここはよく混乱しやすい点です。「分子」は「異なる元素からできている」という意味ではありません。結合した原子のまとまりが1つの単位としてふるまう、という意味です。
化学結合が重要な理由
化学結合は、原子どうしをつなぎとめる結びつきです。身近な多くの分子では、その結びつきは共有結合であり、原子どうしが電子を共有しています。
原子が結合しなければ、それぞれ別々の原子のままです。結合して独立した単位をつくれば、それは分子になります。結合は、この2つの考え方をつなぐものです。
結合の種類も重要です。多くの物質は分子からなりますが、すべてがそうではありません。たとえば固体の塩化ナトリウムは、通常、独立した 分子としてではなく、巨大なイオン結晶格子として説明されます。
水の例:原子から1つの分子へ
水分子 には、合計3個の原子が含まれています。
- 個の水素原子
- 個の酸素原子
これらの原子は共有結合によって結びついています。酸素原子はそれぞれの水素原子と結合しているので、3個の原子で1つの独立した分子をつくります。
この1つの例で、流れ全体がわかります。
- まず個々の原子がある
- 化学結合ができる
- その結果、固有の性質をもつ分子ができる
水は単に「水素と酸素が隣にあるだけ」ではありません。原子が結合すると、それ自体のふるまいをもつ新しい化学的単位になります。だからこそ化学では、構造と結合がとても重視されるのです。
原子・分子・化合物の違い
この3つの言葉は、学習者がよく混同します。
原子は元素の1つの単位です。分子は結合した原子のまとまりです。化合物は、2種類以上の元素が化学的に結びついてできた物質です。
したがって、
- は分子だが、化合物ではない
- は分子でもあり、化合物でもある
つまり、すべての化合物が単一の原子というわけではなく、また、すべての分子が化合物というわけでもありません。
原子と分子でよくある間違い
「原子」と「分子」を同じ意味のように使う
両者は関係していますが、同じ意味ではありません。原子は1つの構成単位です。分子は、構成単位が結合したまとまりです。
分子には必ず異なる元素が含まれると思い込む
これは誤りです。 も も、1種類の元素だけからできた分子です。
すべての物質は独立した分子として存在すると考える
これも誤りです。特にイオン結晶や共有結合の結晶では、独立した分子ではなく、広がった構造として表すほうが適切な場合があります。
化学でこの考え方を使う場面
原子と分子の区別は、化学式を読むとき、反応式の係数をそろえるとき、結合を学ぶとき、あるいは粒子レベルで物質を比較するときに必ず出てきます。
またこれは、分子の形、極性、化学反応、物質の状態といった、より大きなテーマの出発点でもあります。1個の原子と、結合した原子のまとまりの違いがはっきりしていないと、その先の内容はかなり理解しにくくなります。
すばやく原子か分子かを確認してみよう
、、 を使って自分でも試してみましょう。それぞれについて、3つの問いを考えます。1個の原子か、それとも結合したまとまりか。分子かどうか。化合物かどうか。
この簡単な確認だけで、用語の意味がつかめることがよくあります。もう一歩進めたいなら、、、 でも同じように比べてみて、同じラベルがどう当てはまるかを確かめてみてください。